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不動産証券化マスター

ー不動産証券化と倫理行動ー

 

★本記事は不動産証券化に関連する諸法律の上位概念にあたる情報を掲載しています。

法律上の義務と職業上の要請はイコールではない点に留意する必要があります。

参考資料(不動産証券化協会)

 

専門家責任

 

専門家の民事責任とは他人に不適切な役務の提供(プロとしてあるまじきクオリティーのサービスの提供)をする事によって、

これを信頼した依頼者やその他の第三者が損害を受けた時の賠償責任の事を指します。

これは医師、弁護士、会計士と言った士業は勿論、不動産証券化マスターも専門家責任を問われるケースがあります。

また、専門家責任が契約関係を超えた「信頼関係」を基礎としている事も重要であり、

契約内容に則していても依頼者等の信頼を裏切り、損害を与えたかどうかが論点となります。

(単に義務・責任を果たさない事が損害賠償請求の可否には直結しない事に注意が必要です。)

 

信認義務

 

不動産証券化ビジネスは様々な専門家と依頼者から成り立っており、専門家の考え方や方針に依頼者が常に懐疑的では取引が成立しません。

つまり、依頼者が専門家を信頼する事でビジネスはスタートし、専門家はその信頼に応えねばなりません。

これを信認義務といい、下記の「善管注意義務」「忠実義務」に大別されます。

 

善管注意義務

 

不動産証券化事業に従事する者、つまり投資家やオリジネーターの財産管理・運用を受任した者は善良な管理者としての注意義務

自分自身の財産を扱う場合と同様の配慮と注意を払う義務)を負います。

善管注意義務は種々の契約書に記載されている事が多いですが、

善管注意義務違反は債務不履行責任ではなく不法行為責任を問われるケースが多いです。

また、専門家責任における善管注意義務とは法令や実務に応じた標準的な、専門家に要求される注意義務です。

 

 

忠実義務

 

受任者は依頼者の利益を優先させるべきであり、自己や第三者の利益を優先させてはならない義務です。

民法上は受任者の忠実義務の明文規定はなく

第一種、二種金融商品取引業者も根拠法に忠実義務の明文規定が無いものの、

条理上当然に忠実義務を負うと解されています。

「不適切な役務の提供」には自己や第三者の利益を優先させるように仕向けた役務、という捉え方もあるので、

専門家の説明義務の根拠を忠実義務に求める見解もあります。

 

 

誠実・公正義務

 

金商法36条1項にて定められていた誠実・公正義務は2023年の法改正により、金融サービス法2条1項の規定新設に伴って削除されました。

(金融商品取引業者から、「金融サービスの提供等に係る業務を行う者」というより大きな括りとなりました。これらの者には顧客等の最善の利益を勘案しつつ、顧客等に対して誠実かつ公正に、その業務を遂行しなければならない。とされており、かつての誠実・公正義務を踏襲しています。)

 

また、金商法の留意点として、法上に倫理的な行動に関する義務までは明記されていない点があります。

顧客本位の業務運営に関する原則はベストプラクティスを目指すうえで有用であるという意味であり、法的義務ではないという事です。)

 

 

インサイダー取引とは

 

①上場会社等に係る会社関係者又はこれらの会社関係者から情報を得た情報受領者が、

その会社の業務等に関する重要事実を知った場合において、その重要事実が公表される前に、その会社の株式等の売買等を行う取引

②上場会社等に係る会社関係者 で、

その会社の業務等に関する重要事実を知った者が、その重要事実が公表される前他人に売買等をさせることにより利益を得させ

又は損失を回避させる目的をもって、その 重要事実を伝達し、 又はその会社の株式等の売買等を勧める行為

★未公表の重要事実を知った上で行う取引が対象であり、形式的に判断され、個別事情は成否に影響を与えない。

★公表前ですので、インサイダー取引規制は、「重要事実が公表」された後であれば解除されます。

個人:5年以下の懲役 もしくは500万円以下の罰金 、又は併科 法人:5億円以下の罰金

 

●会社関係者

・役員等とは、役員、代理人、使用人その他の従業者を指し、雇用・契約形態は問わない 。

・会社関係者でなくなった後1年以内の者(元会社関係者 )も、会社関係者と同様に扱われる。

・会社関係者から重要事実の伝達を受けた者(一次情報受領者)も、売買取引規制の適用対象者となる。
例: 会社関係者の家族、親族、友人、知人等

 

●公表とは

2以上の報道機関に公開した後、12時間経過

金融商品取引所に通知し、取引所にて電磁的方法により公衆の縦覧に供される。

・重要事実が記載された有価証券報告書等が、公衆の縦覧に供される。

※自社ホームページへの掲載や、マスコミのスクープは公表にあたりません。

 

 

-不動産証券化マスター

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