国有財産は「財務大臣」が総括する。「行政財産」「普通財産」に分類される。
行政財産:国が今使っている、これから使おうとしているもの。(処分できない)
各省各庁(衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、各省大臣、最高裁判所長官、会計検査院長)が管理する。
普通財産:行政財産以外の国有財産。(今使っていないもの。)(処分できる)
財務大臣が管理、処分する。
★行政財産は普通財産となった後に財務大臣が処分するという事。
・国有財産
国の負担、法令の規定、寄附によって国有となった財産。
国有財産の「管理」とは取得、維持、保存、運用を言う。
動産、不動産以外に「地上権、地役権、鉱業権、特許権、著作権、商標権、実用新案権」などの権利も含む。※賃借権は含まれない。
・国有財産の引き継ぎ
行政財産の用途を廃止した場合、普通財産を取得した場合、各省各庁の長は財務大臣に引き継がなければならない。
(特別会計に属するもの、不適当なものは引き継ぎ不要。)
・財務大臣との協議
①行政財産とする目的で土地建物を取得する場合、②普通財産を行政財産としようとする場合は財務大臣との協議が必要。
・職員の国有財産譲受禁止
国有財産に関する事務を行う職員は国有財産を譲り受ける事ができず、譲り受けた場合は「無効」となる。
・行政財産の管理
行政財産は「処分できない。」処分とは、「貸付、交換、売払、譲与、信託等」を指し、違反する行為は「無効」となる。
★例外として、国が建物を区分して所有する場合や床面積、敷地に余裕がある場合は土地の貸付が可能。
・行政財産の使用許可
行政財産はその用途又は目的を妨げない限度においてその使用又は収益を「許可」する事ができる。
※ただし、借地借家法の適用は無い。
・普通財産の管理・処分
普通財産の貸付料は毎年定期に納付させなければならないが、「前納」も可能。
地方公共団体に応急措置等のために貸し付ける場合は「無償」で貸付可能。
貸付契約の解除は、「各省各庁の長」が「一方的に」解除する事ができる。
普通財産は、公共事業の用に供する為などの場合は土地建物との「交換」が可能。
ただし、交換差額が4分の1を超える場合はこの限りでは無い。
売払、譲与する際、「各省各庁の長」は「用途」「期日、期間」を指定しなければならない。
普通財産は、「国を受益者」とする場合に限り、信託する事ができる。
普通財産は、法律で特別の定めをした場合に限り、「出資の目的」とすることができる。(行政財産は×)
普通財産は、定期借地権を設定することができる。(行政財産は×)