「敷金は戻ってくるお金で、礼金は戻ってこないお金」
「礼金は大家さんの収入?不動産屋さんの収入?」
礼金に関する認識は大凡皆さん同じ様なものかと思いますが、本来の意味についてご説明致します。
(どうせ払うなら意味をしっかり理解した上で払いたいですよね!)
・礼金は慣習金の一つ
戦後の日本は賃貸物件が少なく、自分で家を建てようにも費用捻出が難しく、
賃貸物件市場はかつて、完全に貸し手市場でした。
「お家を貸してくれてありがとう」
の意味がそのまま礼金を支払う意味となります。
最近では少子高齢化、賃貸物件の供給過多は誰もが知っている事実であり、借り手市場となっておりますので、
「礼金ナシ!!」物件もかなり増えています。
・礼金は大家さんの収入源?
不動産仲介業者があまり無い時代は大家さんの懐にそのままインしていた礼金ですが、
昨今では礼金→不動産仲介業者への業務報酬に割り当てているケースがほとんどです。
仲介業者は借り手から「仲介手数料」を頂くのですが、
「仲介手数料半額」「仲介手数料無料」の物件もよく目にします。
タダ働きはできませんので、別途で貸し手から業務報酬を頂くケースがかなり多いです。
(借り手の契約金を少なく、貸し手の支出を多く、まさに借り手市場です。)
・礼金アリの物件は借りないほうがいい?_
結論から申し上げますと、「希望のエリアに左右されやすい」です。
今時礼金アリの物件の特徴としては、関東を例にあげますと、
・山手線の内側の物件
・政令指定都市ターミナル駅徒歩圏
が多い傾向にあります。
お気づきかと思いますが、上記のエリアは人口も集中しており、
借りたい人も多いので郊外に比べて需要供給が逆転しています。
言い換えると「礼金を払ってでも住みたいと思う人が多いエリア」になるわけです。
また、エリアを問わず「新築物件」は礼金アリのケースが多いです。
一戸建ても、分譲マンションも、クルマも「新品」は大変気持ちがいい!のは賃貸物件も同じ。
プレミアが付くわけですね。
・敷金、礼金以外の契約時費用について
クリーニング費用、24時間駆けつけサービス、インターネット料金・・・
契約時に支払う費用や入居後家賃以外に支払う費用は煩雑になっています。
先ほどの「借り手市場」の話の続きになりますが、仲介手数料を1ヶ月分、借り手から頂きにくい市況の中で、
不動産業者が「副収入」を得る為に「附帯サービス」が増えております。
契約後に「聞いていなかった」というトラブルが多発しておりますので、申込時にしっかりと確認しましょう。
不動産営業マンも人間ですので、説明不足、押し売り、などトラブルの火種をばら撒いてしまいます。
便利なサービス、商品もたくさん登場しておりますので、納得した上で購入、加入し、不要なモノはハッキリ断ることで気持ちのいい取引になります。
契約は貸し手、借り手、仲介業者の共同作業ですので納得行くまで説明を受ける様にしましょう。