テナントあってのビル経営
テナントリテンション:契約の継続
テナントミックス:業種のシナジーを誘発し、カニバリゼーションを防ぐ
オフィスを考える視点とキーワード
オフィスワーカー:稼働率(早朝深夜の入退館)、空調(セントラル→個別)、化粧室
テナント企業:耐震性、アスベスト、BCP(事業継続計画)、移転費用
デベロッパー:複合ビル、投資採算性、まちづくり
投資家:収益性、情報の透明性(ディスクロージャー)、不動産と金融のミックス
PFI:プライベートファイナンスイニシアティブ
民間資金や経営能力を活用して公的施設の建設、維持管理、運営を行う手法
◎メリット
・低廉且つ良質なサービスの提供
・行政改革(民間企業の代行により行政が変わる)
・民間企業の事業機会創出
◎基本原則
・納税者目線でのVFM(バリューフォーマネー)の向上
・性能発注(民間企業の創意工夫を誘発するもの)であること
・契約主義(対等なパートナーシップを前提とするもの)であること
・業務連動払い(公共がプロセスに一貫して関与する)であること
など
◎対象施設
道路、鉄道、港湾、空港、河川、公園、上下水道、官舎、学校、賃貸住宅、社会福祉施設、研究施設、「船舶・航空機」←NEW
◎事業形態
・料金徴収型(独立採算型)
民間事業者が整備運営し、消費者から徴収する料金で回収する形態。
・一体整備型(ジョイントベンチャー型)
公共施設と民間施設を一体的に整備運営し、消費者から徴収する料金で回収する形態。
・公共サービス購入型
公共が民間事業者からのサービスを購入する形態。
◎所有形態
・BOT(ビルドオペレートトランスファー)
民間事業者が資金調達⇒一定期間管理・運営⇒資金回収後、所有権を公共に移転
・BTO(ビルドトランスファーオペレート)
民間事業者が資金調達⇒所有権を公共に移転⇒一定期間管理・運営する権利を得る
・BOO(ビルドオウンオペレート)
民間事業者が資金調達⇒一定期間管理・運営(公共への所有権の移転はナシ)
・BLT(ビルドリーストランスファー)
民間事業者が資金調達⇒公共にリース⇒資金回収後、所有権を公共に移転
◎事業調達方式
・総合評価方式:価格・サービス等総合的に勘案し落札者を決定
・公募型プロポーザル方式:あらかじめ定めた評価基準に従って落札者を決定
・コンセッション方式←NEW:施設所有権を公共のまま、民間の事業実施権利獲得を認める方式
CRE戦略:コーポレートリアルエステート
企業用不動産の有効活用によって企業価値を高める。(不動産業でない企業も経営的観点から不動産戦略を構築する)
★バブル崩壊、土地神話の崩壊によって不動産の価格下落リスクを考え、経営資源の一つとして意識するようになった。
シェアードサービス型戦略:不動産を経営資源と意識した上で、外部の不動産を取り巻くベンダーと従業員(社内顧客)のインターフェースを担う考え方の経営戦略
→従業員満足やCSRの観点からCRE戦略を実行する
大企業:社内にCRE専門部署を設置
中小企業:専門部署に代わってメインバンク等にCRE戦略を実行させる
クリエイティブオフィス:バリューチェーンの各段階において創意工夫を誘発するような仕掛け→HRMにプラスの作用をもたらす。
→オフィスを単なる「作業スペース」ではなく「コミュニケーションツール」「エコシステム」として捉える。
HRM:ヒューマンリソースマネジメント
人的資源活用
CSR:コーポレートソーシャルレスポンシビリティ
企業の社会的責任
ビル事業のパラダイムシフト
従来:銀行借入→建築→募集・賃貸・維持管理(所有者が直接実施)
現在:銀行借入+直接金融→建築(厳格化)→募集・賃貸(仲介業者への委託)→維持管理(テナントの要求品質UP、PM会社への委託)
不動産×金融=証券化→所有者が不特定多数→投資商品としての側面が強まる→AM会社への委託→「ビル事業のアンハンドリング化」
AM:対投資家の管理 PM:対テナントの管理 LM:テナント募集管理 CM:工事管理/監理 FM:経営資源の観点から見た管理 BM:ビルマネジメント
デューデリジェンス:法的調査、経済的調査、物理的調査
エンジニアリングレポート:デューデリジェンス報告書
ビル経営の企画・立案フロー
基本計画→設計計画→収支計画→資金計画
ビル設計フロー
基本設計→実施設計→基準階平面計画(空調、照明、OA、トイレ・・・)→建物共用部計画(駐車場、EV、エントランス・・・)
工事管理:施工品質
工事監理:納期・契約・支払
施工~竣工まで
工事請負業者選定
一括発注方式、分離発注方式、コストオン方式(一括発注先に指示の上分離発注し、CMFeeを工事費に加えて支払う)
CM(コンストラクションマネジメント)工事進捗管理等、工事請負業者で賄いきれない業務を遂行し、責任を負う。
竣工後→テナント誘致
アンカーテナント:他テナント誘致のトリガーとなるテナント(有名企業)
地球環境とビル経営
IPCC:気候変動に関する政府間パネル
COP:気候変動枠組条約締結国会議
Ex:COP21「パリ協定」
CASBEE:建築環境総合性能評価システム
BELS:建築物省エネルギー性能表示制度
LEED:建築物環境性能認証システム
WELL認証:居住者の健康・快適性に焦点を当てた認証システム
GRESB:グレスビー、不動産会社や運用機関を対象としたラベリング制度
TCFD:機構関連財務情報開示タスクフォース
ESG投資:従来の財務情報だけでなく環境、社会、ガバナンスを考慮した投資