専門家責任
専門家の民事責任とは他人に不適切な役務の提供(プロとしてあるまじきクオリティーのサービスの提供)をする事によって、これを信頼した依頼者やその他の第三者が損害を受けた時の賠償責任の事を指します。これは医師、弁護士、会計士と言った士業は勿論、不動産証券化マスターも専門家責任を問われるケースがあります。
また、専門家責任が契約関係を超えた「信頼関係」を基礎としている事も重要であり、
契約内容に則していても依頼者等の信頼を裏切り、損害を与えたかどうかが論点となります。
善管注意義務
不動産証券化事業に従事する者、つまり投資家やオリジネーターの財産管理・運用を受任した者は善良な管理者としての注意義務(自分自身の財産を扱う場合と同様の配慮と注意を払う義務)を負います。善管注意義務は種々の契約書に記載されている事が多いですが、善管注意義務違反は債務不履行責任ではなく不法行為責任を問われるケースが多いです。
また、専門家責任における善管注意義務とは法令や実務に応じた標準的な、専門家に要求される注意義務です。
忠実義務
受任者は依頼者の利益を優先させるべきであり、自己や第三者の利益を優先させてはならない義務です。民法上は受任者の忠実義務の明文規定はなく、第一種、二種金融商品取引業者も根拠法に忠実義務の明文規定が無いものの、条理上当然に忠実義務を負うと解されています。
(「不適切な役務の提供」には自己や第三者の利益を優先させるように仕向けた役務、という捉え方もあるので、専門家の説明義務の根拠を忠実義務に求める見解もあります。)