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不動産まめ知識

鑑定理論

不動産鑑定評価基準 各論第1章-価格に関する鑑定評価-

 

 

★鑑定評価額の重み付けキーワード

・関連付けて(同等に扱う。=)

・標準として>比較考量して>参考としてor検証を行って(左に行くほどその試算価格を重視するということ。)

 

 

更地

 

建物も権利も無い宅地なので、常に最有効使用が可能。

 

・鑑定評価額

準価格、益価格、算価格を関連づけて、「開発法による価格」を比較考量して決定する。

・三手法適用上の留意点

比準価格:取引事例比較法

収益価格:配分法、土地残余法を適用する場合、敷地が最有効使用の状態のものを採用する。

積算価格:主に「物理的要因」に着目して減価額を求める。

・独自手法

近隣地域よりも土地の面積が大きい場合に「開発法」を使用する。

開発法:例えばマンション開発用地として更地の価格を求める場合、

販売総額から建築費、付帯費用を差し引いて更地価格を算出する。

この時、マンション開発は将来に渡って行われるので、各項目を現在価値に割り戻す必要がある。

(この時、複利現価率に用いるのは割引率ではなく「投下資本収益率」と言う。)

★開発法は「想定要因が多い」ので、基本三手法に対して比較考慮すべきものとされている。

 

 

建付地

 

建物の用に供され、同一所有者である土地。自建若しくは貸家敷を指す。

建付地の評価は所有権他、使用収益を再現する権利が付着している状態を所与として、

土地に対して「部分鑑定評価」をするものである。

 

・鑑定評価額

更地価格に「建付地補正をおこなって求めた価格を標準とし、配分法による比準価格・収益価格比較考量して決定する。

配分する方法による価格を標準とする事もできる。

★建付地の価格は、最有効使用に適用していない場合更地価格を下回ることになる(建付減価

しかし、既存不適格建造物が存しており、最有効使用を上回る場合や、

収益不動産が既に稼働している場合等は収益性に応じて更地価格を上回る場合がある。(建付増価

 

・三手法適用上の留意点

比準価格:建付地の取引事例はないので取引事例比較法の採用不可。(配分法を用いて査定する。

収益価格:土地残余法を適用する場合、敷地建物の賃貸を想定し、採用する。

積算価格:再調達原価の査定不可。更地or建物及び敷地の再調達原価になってしまう。

 

・独自手法

取引事例比較法における事例不動産適用するに配分法の類似手法として、「対象不動産に」配分法を用いる事ができる。

 

 

借地権

 

建物所有目的の地上権又は土地の賃借権を言い、「建物以外」は借地権に該当しない。

借地権と底地は相互に作用して価格形成される。

借地権の存在は必ずしも借地権の価格の存在を意味するものではない。

(借地権の買い手がいなければ価格は決定しない。)

借地権単独で取引される地域と借地権付き建物として取引される地域がある。

 

★借地権の態様は借地権固有の地域要因・個別的要因であると言う事。

(借地権付き建物は「部分鑑定評価」として取り扱うべきである。)

借地権には一般定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権がある。

借地権の価格は「借地権者(借り手)」に帰属する経済的利益を貨幣額で表示したものが主である。

(借地料を得るのは「借地権設定者(貸し手)」)

経済的利益とは借り手の地位確保という「安定的利益」や、

地代が低く抑えられることによって適正賃料と実際支払賃料の乖離による「賃料差額」(借り得)がある。

 

・鑑定評価額

準価格、益価格、賃料差額還元法の価格、借地権割合法の価格関連付けて決定する。

●成熟度が低い地域は収益価格、賃料差額還元法の価格、底地価格控除法の価格を関連付けて決定する。

成熟度が低いと取引事例比較法や借地権割合法は使えない。

 

・三手法適用上の留意点

比準価格:取引事例比較法

収益価格:配分法を適用する場合は借地権固有の個別的要因を鑑み、態様が類似した事例を採用する。

土地残余法を適用する場合は土地に係る公租公課に換えて地代相当額を計上する。

(公租公課の支払義務者は借地権設定者である為。)

※借地権利回りは更地の還元利回りよりも高くなる傾向にある。(ハイリスク・ハイリターン

積算価格:×

 

・独自手法

賃料差額還元法(借り得

正常実質賃料と実際支払賃料の差額に取引対象割合を乗じた上で還元利回りで除して求める。

※実際実質賃料でない理由は借地権者が借り手サイドである為。

前払地代」がある場合は運用の機会損失も借り得の計算時に考慮する必要がある。

 

借地権割合法

更地価格に借地権割合を乗じて求める。

 

底地価格控除法

注意点:更地価格は借地権価格と底地価格と「相互作用による経済価値」の合計である為、

更地価格から底地価格を控除するだけでは借地権価格は求める事が出来ない。

 

 

底地

 

借地権の付着した宅地の所有権。

底地の価格は「借地権設定者」に帰属する経済的利益を貨幣額で表示したものである。

経済的利益とは「賃料収入」「借地権消滅による最有効使用の実現の可能性

「将来見込まれる増改築承諾料」「条件変更承諾料・更新料等の一時金」がある。

総合的勘案事項は借地権と同様だが、底地の場合は増価・減価要因の影響が真逆になる。

借地権者が底地を買い取り増分が生じた場合は「限定価格となる。

 

・鑑定評価額

準価格、益価格を関連付けて決定する。

 

・三手法適用上の留意点

比準価格:取引事例比較法

収益価格:更地・建付地・借地権とは異なり、土地残余法は適用せず、実際支払地代に基づいて収益価格を求める。

建物を建てるのは借地権者であるため。)総費用については土地の公租公課のみを計上する。

積算価格:×

 

 

区分地上権

 

平面的・立体的空間の分割による当該権利の設定部分の経済価値と、

他の空間部分の利用を制限することによる経済価値を貨幣額で表示したものである。

★「設定部分」の使用料と設定部分の使用を可能とする為の「利用制限部分」についての保証料

・鑑定評価額

準価格、益価格、立体利用率により求めた価格関連付けて得た価格を標準とし、区分地上権割合により求めた価格比較考量して決定する。

 

・三手法適用上の留意点

比準価格:取引事例比較法

収益価格:土地残余法に準じて収益価格を求める。(利用制限部分の保証料から求める

積算価格:×

 

・独自手法

区分地上権割合:設定部分が使用している空間の割合。

 

 

宅地見込地

 

農地や林地から宅地地域へと転換する見込みのある地域。

熟成度に応じて転換前後どちらの要素を重視すべきかが変わる。

 

・鑑定評価額

 熟成度が高い場合転換後、造成後の更地を想定し、造成費や付帯費用を控除して(熟成度に応じた修正を加えて)鑑定評価を行う。

熟成度に応じた修正とは、宅地地域となる期間及び蓋然性に応じて減額修正することを言う。

 熟成度が低い場合比準価格を標準とし、転換前の土地の種別に宅地となる期待性を加味して得た価格を比較考量して鑑定評価を行う。

 

 

自建

 

建物所有者と敷地所有者が同一人で、需要者が直ちに使用収益できる。

 

・鑑定評価額

三手法価格を関連付けて鑑定評価を行う。

用途変更が最有効使用と判定された場合は、用途変更に伴う各種費用の効果を勘案して鑑定評価を行う。

(よって、既存建物取り壊しが最有効使用と認められる場合、自建の価格は更地としての価格を下回ることもあり得る。

 

 

貸家敷

 

建物所有者と敷地所有者が同一人で、建物が賃貸借に供されている場合の建物及びその敷地。

需要者は賃料収入を重視する。

自建と比較した際、貸家敷の価格は通常低くなるが、適正賃料を得ている場合は自建と同等

適正賃料よりも高い賃料を得ている場合自建の価格を上回る場合がある。

また、貸家敷を借家人が買い取る場合、増分価値が生ずる場合がある。(限定価格

・鑑定評価額

実際実質賃料によって求めた収益価格標準とし、積算価格・比準価格を比較考量して鑑定評価を行う。

この時の実際実質賃料は、預り金は貸家敷に承継され、前払金は承継されない点に注意が必要。

(前払金は返済義務が無い為承継の必要がない。)

 

 

借地権付建物

 

借地権を権原とする建物が存在する場合の建物及び借地権をいい、借地権に価格が発生しているか否かは問わない。

 

・鑑定評価額

建物が自用の場合:三手法価格を関連付けて鑑定評価を行う。

自建と同じ

建物が賃貸されている場合:実際実質賃料によって求めた収益価格を標準とし、積算価格・比準価格を比較考量して鑑定評価を行う。

貸家敷と同じ

 

・三手法適用上の留意点

比準価格:取引事例比較法

収益価格:土地に係る公租公課に代えて地代相当額を計上する。

定期借地権を権原とする場合は「有期還元法」を適用する。

積算価格:借地権の価格と通常の付帯費用に建物の再調達原価を加えて求める。

※契約減価:借地権契約内容と最有効使用が異なるが故に生じる減価。

※建付減価:借地権契約内容と現況建物が異なるが故に生じる減価。(減価修正が必要)

 

 

区建

 

分譲マンションの1室。

区建固有の確認事項は「管理費・修繕積立金の状況」「管理規約」「隣人の属性」等。

一部共有部分(一部の区分所有者に属する共用部分)は専有部分の経済価値に影響を与える。

管理規約によって建物敷地と離れている敷地も「規約敷地」となり得る。

専用使用権:区分所有者が共用部分等を排他的に使用する事ができる権利。

 

・鑑定評価額

建物が自用の場合:三価格を関連付けて鑑定評価を行う。(自建と同じ

建物が賃貸されている場合:実際実質賃料によって求めた収益価格を標準とし、積算価格・比準価格を比較考量して鑑定評価を行う。

貸家敷と同じ

 

・三手法適用上の留意点

比準価格:単に専有面積で比較するのではなく眺望等の「効用差」に注意する必要がある。

収益価格:賃料の比準においても効用差に注意する必要がある。

積算価格:各階層別及び同一の階層内の一瞥の「効用比」により求めた配分率を乗じて求める。

単に建物全体の積算価格を専有面積で割って算出するわけでは無いことに注意が必要。

 

建物所有権と借家権

 

市場性を有する場合:部分鑑定評価積算価格を標準とし、配分法に基づく比準価格、建物残余法に基づく収益価格を比較考量して求める。

有しない場合:特殊価格(神社仏閣公共施設)保存に着目し、積算価格を標準として求める。

※この時の積算価格はあくまで同様の建築物を建造するための費用に着目するのみであり、希少性等は考慮しない。

 

借家権

 

借地借家法が適用される建物の賃借権。

借家権価格は賃貸人の建物明け渡し要求による「立退き料」が該当する。

 

・鑑定評価額

借家権の取引慣行がある場合比準価格を標準とし、自建の価格から貸家敷の価格を引いて得た価格借家権割合に(建物価格に掛ける)より求めた価格を比較考量して求める。

立退きの場合は、代替建物の新規の実際支払賃料と現行賃料の一定期間分の差額と前払的性格を有する一時金等の額(賃貸人が保証すべき金額の合計)を足した価格と、自建の価格から貸家敷の価格を引いて得た価格借家権割合に(建物価格に掛ける)より求めた価格を関連付けて求める。

 

 

特定価格

 

証券化対象不動産や民事再生法に基づく評価目的の下で早期売却・事業継続を前提とした価格。

・鑑定評価額

証券化関連法令:投資採算価値を表す価格。最有効使用と異なる運用方法を所与とする為、特定価格となる。

収益価格(DCF法)を標準とし、比準価格・積算価格を検証して求める。(DCF法を重視する。)

 

民事再生法:事業売却を前提とした価格。早期売却を図る為、特定価格となる。

比準価格と収益価格を関連付けて、積算価格を検証して求める。

(早期売却の事例資料が少ない場合は正常価格から減価して事例とすることが出来る。)

 

会社更生法・民事再生法:事業の継続を前提とした価格。最有効使用と異なる運用方法を所与とする為、特定価格となる。

収益価格を標準とし、比準価格を比較考量し、積算価格を検証して求める。

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