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不動産まめ知識

鑑定理論

不動産鑑定評価基準 総論第6章-地域分析及び個別分析-

 

 

地域分析

 

地域分析とはその対象不動産がどのような地域に存するか、どのよう特性を有するか、

またその対象不動産に係る市場はどのような特性を有するか、その地域内の不動産の利用形態と価格形成について全般的にどのような影響力を持っているかを分析し、判定すること。

 

・重要地域

用途的地域:用途的観点から区分される地域、つまり対象不動産の近隣地域や類似地域。

同一需給圏近隣地域や類似地域を含む、より広域的な地域。

 

・用途的地域

近隣地域:対象不動産の属する用途的地域で、対象不動産の価格の形成に関して直接に影響を与えるような特性を持つ。

近隣地域の地域分析はまず対象不動産の属する近隣地域を明確化し、同一需給圏内の類似地域近隣地域の地域要因を比較し、より広域的な地域に係る地域要因を把握し、分析しなければならい。

近隣地域は客観的な地域区分として独立して存在するものではなく、対象不動産や分析方法如何によってその範囲が相対的に定まる。

鑑定評価の精度を高めるためには地域の種別を細分化して把握し、より用途を純化して近隣地域の判定をすることが必要。

類似地域:近隣地域の地域の特性と類似する特性を有する地域。

 

・同一需給圏

対象不動産と代替関係が成立して、その価格形成について相互に影響を及ぼすような関係にある他の不動産の存する圏域をいう。

同一需給圏内に存する類似地域には、隣接するか否かに関わらず、地域要因の類似性に基づいて、両地域は相互に影響を及ぼす。

同一需給圏内の類似地域の外であっても、同一需給圏内に存しているのであれば相互の間に代替、競争等の関係が成立する場合がある。

同一需給圏は不動産の種類・性格及び規模に応じた需要者の選好性によって異なる為、その選好性を的確に把握した上で適切に判定する必要がある。

(需要者の選好性 ex:東京駅から30分圏内の住宅地という条件下で、市川ではなく大宮を選択する等。

 

住宅地:都心への通勤可能な地域の範囲に一致する傾向にある。ただし、「地縁的選好性(地元意識)」によって地域的範囲が狭められることがある。

商業地:高度商業地(インバウンドも多数来訪するような商業地等)は広域的に形成される傾向にある一方で、普通商業地(郊外ターミナル駅周辺等)は地縁的選好性によって範囲が狭められることがある。

工業地:大工場地は「輸送機関」に関して代替性を有する地域の範囲に一致する傾向にあり、全国的規模となる傾向にあるが、中小工場地は「費用の経済性」について代替性を有する地域の範囲に一致する傾向にある。

見込地・移行地:一般に転換、移行後の土地の種別の同一需給圏と一致する傾向にあるが、熟成度が低い場合は転換、移行前の土地の種別の同一需給圏と一致する傾向にある。

建物及びその敷地:敷地の用途に応じた同一需給圏と一致する傾向にあるが、一致しない場合もある。(商業地にある高層マンションのライバルは住宅地の高層マンションになり得るという事。)

 

・標準的使用

近隣地域の特性はその地域に属する不動産の一般的な使い方に表れる。

標準的使用は相対的位置関係と価格形成要因を明らかにする。また、最有効使用を判定する有力な標準となる。(適合の原則)

また標準的使用は動態的に捉えるべきであることから変動の原則、予測の原則の活用も必要となる。

 

・市場の特性の把握

同一需給圏における市場参加者の属性と行動、同一需給圏における市場の需給動向を的確に把握する必要がある。

 

 

個別分析

 

対象不動産の個別的要因が対象不動産の利用形態と価格形成についてどのような影響力を持っているかを分析し、最有効使用を判定すること。

対象不動産に係る「需要者」がどのような個別的要因に着目して行動し、優劣及び競争力をどの程度評価しているかを把握することが重要となる。

※個別分析におけるターゲットは市場参加者ではなく、需要者であることに注意。

 

・最有効使用判定上の留意点

個々の不動産の最有効使用は一般に「近隣地域の特性の制約下」にある為、個別分析にあたっては「近隣地域に存する不動産」の「標準的使用」との相互関係を明らかにし、判定する必要がある。

原則、最有効使用と標準的使用は一致すべきであるという事。

対象不動産の位置、規模、環境等によっては標準的使用が有力な指標とならない場合もあり、標準的使用と異なる使用が最有効使用となる場合もある。

建物及びその敷地の最有効使用の判定にあたっては、建物用途を継続する場合の経済価値と、取壊しや用途変更を行う場合の費用等を勘案した経済価値を十分に比較・考慮することが必要である。

(最有効使用方法への変更費用に対して、得られる経済効果がそれを上回る場合は取壊、用途変更等を検討すべきであるという事。)

※変更費用には取壊や用途変更の工事費用のみならず、遺失費用や賃借人の立退費用、工事後の賃借人の募集費用などにも留意すべきである。

 

 

◆論点◆

 

・同一需給圏

地域分析とは、その対象不動産がどのような地域に存するか、その地域はどのような特性を有するか、また対象不動産に係る市場はどのような特性を有するか、及びそれらの特性はその地域内の不動産の利用形態と価格形成について全体的にどのような影響力を持っているかを分析し、判定する事をいう。

地域分析に当たって特に重要な地域は、用途的観点から区分される地域(用途的地域)すなわち近隣地域及びその類似地域と、近隣地域及びこれと相関関係にある類似地域を含むより広域的な地域、すなわち同一需給圏である。

同一需給圏とは、一般に対象不動産と代替関係が成立して、その価格の形成について相互に影響を及ぼすような関係にある他の不動産の存する地域をいう。それは近隣地域を含んでより広域的であり、近隣地域と相関関係にある類似地域等の存する範囲を規定するものである。また、同一需給圏は対象不動産との間に代替、競争の関係が成立する不動産の集まり、つまり対象不動産が属する市場として捉えることができる。

同一需給圏における市場の特性の把握にあたっては次の事項に留意すべきである。

市場参加者の属性については業務用不動産の場合、主たる需要者層及び供給者層の業種法人か個人かの別並びに需要者の存する地域的な範囲

居住用不動産の場合、主たる需要者層及び供給者層の年齢、家族構成、所得水準並びに需要者の存する地域的な範囲

市場参加者の取引の可否、取引価格、取引の際に重視する価格形成要因の内容

鑑定評価報告書における鑑定評価額の決定の理由の要旨の箇所には地域分析に係る事項として対象不動産の種別及び類型並びに賃料の種類に応じ、同一需給圏の市場動向及び同一需給圏における典型的な市場参加者の行動について記載しなければならない。

 

・個別的要因の分析

個別分析とは、対象不動産の個別的要因が対象不動産の利用形態と価格形成についてどのような影響力を持っているかを分析してその最有効使用を判定する事をいう。

個別的要因は、対象不動産の市場価値を個別的に形成しているものであり、個別的要因の分析においては、対象不動産に係る典型的な需要者がどのような個別的要因に着目して行動し、対象不動産と代替、競争等の関係にある不動産と比べた優劣及び競争力の程度をどのように評価しているかを的確に把握することが重要である。

対象不動産と代替、競争等の関係にある不動産と比べた優劣及び競争力の程度を把握するにあたっては、次の点に留意すべきである。

同一用途の不動産の需要の中心となっている価格帯及び主たる需要者の属性

対象不動産の立地、規模、昨日、周辺環境等に係る需要者の選好

対象不動産に係る引き合いの多寡

また、個別要因の分析結果は、鑑定評価の手法の適用、試算価格又は資産賃料の調整等における各種の判断においても反映すべきである。

鑑定評価報告書における鑑定評価額の決定の理由の要旨の箇所には個別分析に係る事項として対象不動産の種別及び類型並びに賃料の種類に応じ、代替、競争等の関係にある不動産と比べた対象不動産の優劣及び競争力の程度について記載しなければならない。

 

・土地の最有効使用の判定上の留意点

不動産の価格は、その不動産の最有効使用を前提として把握される価格を標準として形成されるものであるから、(最有効使用の原則)不動産の鑑定評価にあたっては対象不動産の最有効使用を判定する必要がある。

個別分析とは、対象不動産の個別的要因が対象不動産の利用形態と価格形成についてどのような影響力を持っているかを分析してその最有効使用を判定する事をいう。

土地の最有効使用の判定にあたっては、次の事項に留意すべきである。

良識と通常の使用能力を持つ人が採用するであろうと考えられる使用方法であること。

使用収益が将来相当の期間にわたって持続し得る使用方法であること。

効用を十分に発揮し得る時点が予測し得ない将来でないこと。

個々の不動産の最有効使用は、一般に近隣地域の地域の特性の制約下にあるので、個別分析に当たっては適合の原則を活用して特に近隣地域に存する不動産の標準的使用との相互関係を明らかにし、判定することが必要であるが、対象不動産の位置、規模、環境等によっては、標準的使用の用途と異なる用途の可能性が考えられるため、このような場合はそれぞれの用途に対応した個別要因の分析を行った上で最有効使用を判定すること。

価格形成要因は常に変動の過程にある事を踏まえ、特に価格形成に影響を与える地域要因の変動が客観的に予測される場合には、変動・予測の原則を活用して当該変動に伴い対象不動産の使用方法が変化する可能性がある事を勘案して最有効使用を動態的に判定すること。

鑑定評価報告書における鑑定評価額の決定の理由の要旨として、最有効使用及びその判定の理由を明確に記載する。

 

・建物及びその敷地の最有効使用の判定上の留意点

不動産の価格は、その不動産の最有効使用を前提として把握される価格を標準として形成されるものであるから、(最有効使用の原則)不動産の鑑定評価にあたっては対象不動産の最有効使用を判定する必要がある。

個別分析とは、対象不動産の個別的要因が対象不動産の利用形態と価格形成についてどのような影響力を持っているかを分析してその最有効使用を判定する事をいう。

建物及びその敷地の最有効使用の判定にあたっては、次の事項に留意すべきである。

現実の建物の用途等が更地としての最有効使用に一致していない場合には、更地としての最有効使用を実現するために要する費用等を勘案する必要があるため、建物及びその敷地と更地の最有効使用の内容が必ずしも一致するものでないこと。

現実の建物の用途等を継続する場合の経済価値と建物の取り壊しや用途変更を行う場合のそれらに対する費用等を適切に勘案した経済価値を十分比較考量すること。

この比較考量にあたっては次の事項に留意すべきである。

物理的、法的にみた当該建物の取り壊し、用途変更等の実現可能性

建物の取り壊し、用途変更を行った後における対象不動産の競争力の程度等を踏まえた収益の変動予測の不確実性及び取り壊し、用途変更に要する期間中の逸失利益の程度

建物及びその敷地に係る鑑定評価における最有効使用の判定の記載は、建物及びその敷地の最有効使用のほか、その敷地の更地としての最有効使用についても記載しなければならない。

 

・地域分先と個別分析の関連性

地域分析とは、その対象不動産がどのような地域に存するか、その地域はどのような特性を有するか、また対象不動産に係る市場はどのような特性を有するか、及びそれらの特性はその地域内の不動産の利用形態と価格形成について全体的にどのような影響力を持っているかを分析し、判定する事をいう。

地域分析に当たって特に重要な地域は、用途的観点から区分される地域(用途的地域)すなわち近隣地域及びその類似地域と、近隣地域及びこれと相関関係にある類似地域を含むより広域的な地域、すなわち同一需給圏である。

個別分析とは、対象不動産の個別的要因が対象不動産の利用形態と価格形成についてどのような影響力を持っているかを分析してその最有効使用を判定する事をいう。

近隣地域の特性は、通常その地域に属する不動産の一般的な標準的使用に具体的に現れるが、この標準的使用は、その地域に属する不動産のそれぞれについての最有効使用を判定する有力な標準となる。すなわち個々の不動産の最有効使用は、一般に近隣地域の地域の特性の制約下にあるので、個別分析にあたっては、特に近隣地域に存する不動産の標準的使用との相互関係を明らかにし、判定することが重要である。

このように判定評価においては個別分析を行う前提として地域の特性を把握しておかねばならず、地域分析は個別分析に先立って行われることから地域分析と個別分析の間には関連が認められる。

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