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民法

民法 〜債権総論〜

 

 

債権

 

・債権の発生

契約が有効に成立しているのであれば自動的に当事者双方に債権・債務は発生する。

契約が無効なケース:内容の確定性、適法性・社会的妥当性を欠く契約。

 

・債権の内容

 特定物債権:土地、建物等その「個性」に着目し、それらの引渡を内容とする債権。

※土地であればどこでもいいという訳ではなく住所等で目的物を特定する。

※特定物の引渡まで債務者は善管注意義務を負う。

 不特定物債権:お米を何キロ等、個性に着目していない債権。

 金銭債権:金銭支払を内容とする債権。

 非金銭債権:賃借権や目的物引渡債権など、金銭債務に対する権利が多い。

 

・債務不履行

 履行遅滞

履行期(期限)に履行可能であるにも関わらず、債務を履行しない事。

要件:履行期に履行可能な事、履行期を過ぎた事、債務者に帰責事由がある事、違法である事

期限の定めのない債務は直ちに履行遅滞となる。

金銭債務の不履行は常に履行遅滞となる。(金銭債務は履行不能にならないと解する)

→契約解除権と損害賠償請求権(遅延に対する賠償)が認められる。

 履行不能

債務者の意思に関わらず、債務の履行が不可能な事。

原始的不能:契約前(契約は無効) 後発的不能:契約後(債務不履行)

※物理的不能(Ex:売買建物が焼失) 法律的不能(Ex:二重譲渡で競り負けた)

※不法行為責任は失火の場合、重過失でなければ問われない。(失火責任法)

→契約解除権と損害賠償請求権(機会損失に対する賠償)が認められる。

 不完全履行

債務の一部しか履行されず、不完全な点がある事。

※帰責性が無い事を立証できれば債務不履行責任を免れる。

 

・債権者代位権

債権者は自己の債権を保全するために必要があるときは、債務者属する権利を行使する事が出来る。

Ex:自身の債権(被保全債権)回収のために、債務者が第三者に対して所持している債権を行使する事ができる。

要件:被保全債権が「金銭債権」である事。

★金銭債権以外の被保全債権(Ex:賃借権)でも、社会的必要性と合理性が認められれば、債権者代位権の転用が可能となる場合もあります。

※類推適用とは異なる。

要件②:債務者が「無資力」である事。

(自己の債権を保全する目的で代位権を行使する訳だから、債務者の資力が潤沢な場合は代位権を行使せずとも回収できるだろうと解する。)

行使方法:訴えによる必要は無く、内容証明郵便等で足りる。

行使範囲:自己の債権の額の限度においてのみ。

 

・詐害行為取消権

債権者は債務者が債権者を害すると知ってした行為の取り消しを裁判所に請求できる。

(つまり、善意の場合は行使できない。)

Ex:債権者の差押を免れるために、(詐害の意思を持って)自身の不動産を第三者に譲渡した。(詐害行為)

詐害行為取消権は財産権であり、最終的に強制執行による解決が可能な事案でなければ行使できない。

★詐害行為取消権は悪意の第三者(受益者)あるいは悪意の転得者に対して行使できます。

債務者が悪意であってもその先が善意の場合は行使できないという事。

Ex:不動産の二重譲渡が発生し、登記で競り負けた側は詐害行為取消権を行使できるのか。

→そもそも不動産は特定物債権なので、詐害行為取消権の要件である金銭債権ではない。

しかし、特定物債権であっても、究極的には損害賠償請求権という金銭債権に変じうる以上、金銭債権と変わりがない為、行使できると解する。

要件:被保全債権が「金銭債権」である事、詐害行為前に被保全債権が生じている事。

要件②:債務者が「無資力」である事。詐害行為が財産権を目的とした行為である事。

★債務者が財産の処分行為について受益者から相当の対価を得て行った場合は詐害行為性が否認されます。

(故意的に回収不能状態に持っていくのが詐害行為であり、この場合対価を得ているため債務者の資力に変動はないと解する。)

 

・債権譲渡

債権は原則として自由に譲渡できる。

例外:譲渡制限特約付きの債権

特約に違反しても譲渡は有効だが、特約の存在について悪意または重過失の第三者(譲受人)に対する譲渡については、債務者は債務履行を拒絶する、または譲渡人に対する弁済や債務を消滅させる事由を持って第三者に対抗する事ができる。

対抗要件:譲渡人が債務者へ「通知」をし、債務者が「承諾」しなければ債権譲渡を債務者、その他第三者へ対抗できない。また、通知・承諾は確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者へ対抗する事ができない。

※二重譲渡の場合、「確定日付証書の到達日時の前後」で優先劣後が決定する。確定日付証書の記載日付の前後ではない事に注意。

なお、同時に到達した場合は同列に扱う。(対抗関係に立つ。)

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