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会計学

会計学 概要

 

 

財務会計

 企業の経済活動を貨幣額で記録・計算し、財政状態、経営成績、キャッシュフローを「外部利害関係者(Ex:株主)」に財務諸表を通じて報告するシステムを指す。

 制度会計 :会社法、金融商品取引法、税法のルールに則った会計。

 

 

 目的

企業の分配可能額を算定する、収益力を適正に測定表示する、受託責任を明らかにする。

 

 

 特性

検証可能性、財務安全性、制度的実行可能性

 

 

非制度会計:IR等。

 

 

 管理会計

内部利害関係者(Ex:従業員から役員へ)に財政状態、経営成績、キャッシュフローを報告するシステムを指す。

 

 

財務諸表

貸借対照表(BS):資産と負債のバランスを表す。企業の財政状態を反映させる。

損益計算書(PL):企業の一定期間の経営成績を表す。

 

 

財務会計の機能

 利害調整機能:外部利害関係者と企業の利害調整。

Ex:株主と経営者

経営者は株主の財産を適切に運用する受託責任を負っているものの、個人的な利益を優先させる可能性があるため、財務会計を通じて双方が経営結果を適切に判断する必要がある。

Ex2:株主と債権者

株主は出来るだけ多くの配当金を得たい一方で、債権者は出来るだけ多くの利息を得たい。

つまり分配可能額を財務諸表にて決定し、均衡を保つ必要がある。

 情報提供機能:投資家の判断基準、材料となる情報を提供する。

 

 

会計公準

会計公準とは企業会計が制度として成立する為の基礎的前提をいう。

 

・企業実体の公準

所有と経営の分離の原則の根拠となるもの。

・継続企業の公準

会計期間設定の前提として、企業は半永久的に継続する事とする。(清算の時期を考慮しない)

・貨幣的評価の公準

企業の資産変動は有形、無形を問わず貨幣によって評価、計算する。

 

 

会計主体論

資本主説 :企業とは資本主(株主・出資者)の集合体として会計を考える。

企業主体説:企業は株主と別個独立しているものとして会計を考える。

 

◆論点◆

 

・利害調整機能(経営者・株主・債権者)

株主は自己の資金の管理と運用を委託するものであり、他方経営者は資金の管理・運用の権限委譲を受けて株主の利益の為に行動する受託者である。受託者は委託された資金を誠実に管理・運用するだけでなく、委託者の利益を最大化する経営行動を行う責任を負う。この責任を受託責任という。

しかし、経営者は受託責任を常に誠実に遂行するとは限らず、株主の利益よりも自己の個人的利益を優先させるおそれがある。ここに株主と経営者の利害対立が存在し、この利害対立を調整するための手段が財務会計である。

経営者は自己が株主の利益に合致するよう誠実に行動したことを伝達する手段として、会計報告を行う。他方株主は会計報告を通じて経営者による資金管理の誠実性と運用能力を判断する事ができる。このようにして両者の利害対立を調整しているのである。

株主と債権者はともに企業に対する資金提供者である点は共通しているが、見返りとして取得する権利の内容については債権者の方が株主よりも法的に不利な立場に置かれている。株主は議決権等の経営参与権を有し、業績に応じて相当の配当金や社内留保持分を取得する一方で債権者は経営参与権を有しておらず、利息の受取額も固定されている。

このように、株主が企業の存在を危うくさせるような多額の分配を決議すれば債権者の権利は不当に著しく害されることがある。こkに株主と債権者の利害対立が存在し、この利害対立を調整するための手段が財務会計である。

分配可能額を財務諸表に基づいて計算することによって企業財産の配当による流出に歯止めをかけることにより両者の利害対立を調整しているのである。

 

・情報提供機能

情報提供機能とは、投資者に対して証券投資の意思決定に役立つ情報提供をすることにより投資者を保護し、証券市場がその機能を円滑に遂行できるようにするという機能である。

証券市場の発達は、市場での株式売却により自己の財産を保全するという新しい方法を可能にした。また、株主の株式会社に対する影響力が株式所有の分散により低下したことで投資者は株式投資による利益に関心を示すようになった。これに伴って、会計報告の主な役割として投資意思決定に役立つための情報が重視されることとなった。

また、証券市場の発達は不特定多数の人々がその会社の証券を取得し、容易に債権者や株主になることを可能にした。したがって、将来において株主や債権者になりうる潜在的投資者も、会計情報の重要な受け手として考えられるようになった。

更に、証券市場において投資者の果たす役割が重要になった結果、資金調達の観点から会社が投資者の情報有給に応えることが社会的に不可欠な要請となった。したがって、企業の資金調達を円滑にして、経済社会を適切に運営する為にも、投資者の情報要求に応えて、彼らを証券市場において保護する必要がある。

 

・制度会計の目的と特性

制度会計の目的とするところは、①企業の分配可能額算定②業績利益の適正表示③株主の出資した財産等を管理、運用、保全する責任である経営者の受託責任を明らかにすることによって、企業の状況に関する外部利害関係者の判断を誤らせないようにするところにある。

これらの目的を達成するために制度会計は、①制度会計規範に基づく会計行為の遂行w立証するための証拠力又は抗弁力を重視する検証可能性、②利益分配目的の為の支払い財源又は企業が税金を負担する能力である担税力を重視する財務安全性(保守主義性)及び③制度会計の円滑な遂行を図る為の制度的実行可能性という特性を有する。

 

・会計公準論

会計公準とは、企業会計が制度として成立するための基礎的前提又は仮定をいう。

会計公準は一般に、企業実体の公準、継続企業の公準、及び貨幣的評価の公準の3つからなるとされる。

企業実体の公準とは、企業会計上、企業という経済主体をその所有者とは別個独立のものとみる考え方をいう。企業実体の公準から、「企業」の資産と「企業」の負債及び資本という概念が成立することになる。すなわち、企業実体の公準とは、会計において計算を行うためにはその前提として会計の対象を特定の経済主体に限定しなければならない、という公準である。

継続企業の公準とは、企業が継続しないという反証が無い限り、会計上の評価や処理は全て、解散や生産を前提としない継続企業という立場から行われる、という前提である。

継続企業の公準によると、企業が永遠に継続すると仮定されるため、企業の財政状態等を明らかにするためには期間を区切って会計計算を行わざるを得ない。したがって、継続企業の公準は、人為的に区切られた会計期間ごとの損益計算を行うための前提であるともいえる。

貨幣的評価の公準とは、企業会計における測定尺度として一般に貨幣数値が用いられるという前提である。貨幣的評価の公準によれば、貨幣で測定されない事象に関しては会計上認識する事ができないことになる。この公準が必要とされる理由は、今日の企業会計が、分配可能額や課税所得額の計算を重要な任務としているからである。

 

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