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不動産まめ知識

不動産証券化マスター

証券化不動産の賃貸借契約・信託契約

 

◆不動産賃貸借契約

 

・敷金の取り扱い

賃貸不動産の所有権が移転した際の敷金返還債務は、一般的に新所有者へ移転する為、

旧所有者はテナントの承諾を得なくても免責新所有者へ請求してください)されます。

また、売主ー買主間では返還債務の移転に伴い、売買代金から返還債務合計金額(預かり敷金合計金額)を差し引いて、精算するのが定石です。

 

・賃貸人の地位移転

所有権移転の場合、賃貸人の地位もまた、テナントの承諾を得なくても当然に移転すると考えるのが一般的です。

(それ以外の場合は賃借人の承諾を得る必要があります。)

 

・マスターリース契約

信託を設定する場合、オリジネーター(不動産所有者)とテナントとの間で締結している契約を不動産賃貸借契約、

オリジネーターと信託受託者の間や信託受託者とマスターレッシー(信託受託者の一括賃貸先)の間で締結している契約をマスターリース契約と言います。

この時、テナントはオリジネーター→信託受託者→テナントという順番で契約をしている「転借人」という立場になり、

信託受託者とオリジネーターの間のマスターリース契約が解除された場合、転借人の地位を対抗できません。

そこで、転借人という立場になることや、テナントから敷金返還請求を信託受託者へしない旨を記載したテナント承諾書を徴収することがあります。

しかしながら、テナントの承諾を得ることが難航するケースは多々あるので、あらかじめマスターリース契約締結までにある程度の敷金返還準備金を用意しておくことが求められます。

 

・中途解約の違約金

主にオフィスにおける賃貸借契約になりますが、残存期間の賃料相当額を違約金とするケースが特に証券化不動産では多いです。

(配当金の源泉である賃料収入が途切れることは最大のリスクである為)

また、住居の賃貸借契約は通常契約期間が2年であるのに対し、オフィスは最長の20年に設定されることも多いです。

なお、中途解約は賃借人との合意の下で期中解約権の排除という特約をつけることで禁ずることも可能です。

解約権は特約の有無に関わらず当然に行使できるわけではなく、賃貸借契約で契約期間を定めている場合、行使の前に解約権の留保が必要です。

 

・賃料増減請求権

通常、賃料の増額請求権は排除出来ても、減額請求権は排除出来ないとされています。

しかし証券化において、ただ賃料の減額リスクだけを負うことは好ましくない為、双方排除できる「定期建物賃貸借契約」(更新のない賃貸借契約)を締結することで解決するケースが多いです。

 

・破産手続きの開始

賃貸人に破産手続きの開始があった場合、賃借人は敷金返還請求権の額の限度で、

賃貸人に対して支払われる賃料相当額を寄託する(相殺する)よう請求することが出来ます。

 

 

◆信託契約

 

信託を利用した不動産証券化は、所有権が受託者に移転し、保有されます。

(登記事項には受託者だけでなく受益者の名前や信託管理人といたステークホルダーの情報が記載されます。)

受益者の保有する権利を信託受益権といい、信託財産から発生する利益を受け取る権利は勿論、不当な処分(売却)の取消権が認められています。(金融商品取引法上の有価証券とみなされています。)

受益権も法律上の譲渡性を有している為譲渡が可能ですが、これには受託者の承諾が必要とされています。

信託受託者は、信託業務をアウトソーシングする事が可能ですが、委託先を信託契約上で明らかにする必要があります。

★信託受託者が不動産の売主となる場合も、不動産業者が売主となる場合と同様に瑕疵担保責任を負わない旨の特約は無効です。

 

・自己信託

オリジネーター自らが信託受託者となり、受益権をSPC等に処分する自己信託という方法も存在します。自己信託の場合の「信託業登録」の要否ですが、受益者が50人未満の場合は登録不要となっています。

(この自己信託において、受益権の全部を固有財産で1年を超えて保有することはできない、とされています。)

 

・信託財産責任負担債務

例えば受託者が締結した信託不動産における賃貸借契約上の債務は信託財産責任負担債務であり、受託者の固有財産も責任財産となります。

 

・信託財産限定責任負担債務

文字通り、受託者の固有の財産に責任が及ばない負担債務を指します。(通常の信託における受託者は債務超過があった場合固有の財産をもって弁済等する義務が発生します。)

 

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